エリマキキツネザル「ナッツ」が死亡しました | 札幌市円山動物園
エリマキキツネザルの「ナッツ」(メス、24歳)が7月25日(火曜日)に死亡しましたのでお知らせいたします。
「ナッツ」は7月16日に重度の下痢が認められ、元気や食欲が低下しておりましたが、投薬により7月20日には回復傾向にありました。
しかし、7月22日朝に痙攣(けいれん)の症状が認められ、園内動物病院の入院施設内で点滴、疼痛(とうつう)管理による治療を行ってきましたが、意識がはっきりしない状態が続き、7月25日、朝8時頃に死亡を確認しました。死因の特定は、今後、解剖検査を行い、改めてお知らせします。
7月25日より動物園センター案内前に献花台を設置いたします。
なお、「ナッツ」の死亡により、当園での飼育するエリマキキツネザルはいなくなりました。
【個体情報】
生年月日:1999年5月22日市川市動植物園生まれ
(2002年3月19日来園)
死亡年月日:2023年7月25日(24歳)
現時点で死因は特定されていません。わかり次第追記します。
(2023/7/27追記)
剖検所見:慢性肝炎、膵臓の萎縮、盲腸炎、肺水腫、臍ヘルニア
また、第1報の病状のお知らせも併せて記載しておきます。
エリマキキツネザル「ナッツ」の病状について | 札幌市円山動物園
【2023年7月22日(土曜日)掲載】
エリマキキツネザル「ナッツ」(24歳、メス)の病状についてお知らせします。
エリマキキツネザル「ナッツ」は7月16日に重度の下痢が認められ、元気食欲が低下しておりましたが、投薬により7月20日には元気食欲の回復が認められました。
しかし、7月22日(土)朝に痙攣(けいれん)の症状が認められたために園内動物病院で検査を実施したところ、血液検査では肝機能の著しい低下が疑われる結果がでました。また、超音波検査の結果、肝臓に腫瘤があることが分かり、症状や経過を総合的に考えると、ガンである可能性も非常に高いと考えられました。現在、「ナッツ」は動物病院内の入院施設内で酸素吸入と点滴による治療を実施しております。
現在の「ナッツ」の状態は意識がはっきりしない状態が続いており、危険な状態です。引き続き最善の治療、看護を実施してまいります。
エリマキキツネザルの寿命は野生下で15~20年、飼育下で20~35年だそうです。
これで円山動物園のエリマキキツネザルはいなくなってしまいました。
「ビジョン2050」に基づく今後飼育展示していく動物種について | 札幌市円山動物園
2019年3月に策定した「札幌市円山動物園基本方針『ビジョン2050』」では、将来に向けて円山動物園において飼育展示していく動物種の考え方を記載したうえで、具体的な各動物種の分類については、別途、円山動物園において整理することとしておりました。
円山動物園ではこの考え方に基づき、検討をしてまいりましたが、このたび、円山動物園で飼育していく動物を種毎に3つの分類に整理しましたので以下のとおりお知らせいたします。
この中で飼育動物の今後について「推進種」「継続種」「断念種」と分類しており、エリマキキツネザルは「断念種」に分類されています。
エリマキキツネザルの評価
生息地の破壊等により絶滅の危機に瀕しており保全の必要性は高く、教育展示の必要性もある。しかし、当園で飼育しているマダガスカルの同じキツネザル科のワオキツネザルと比較し、ワオキツネザルの方がより国内個体群が安定していることから、将来的な持続可能性を考慮し、ワオキツネザルの動物福祉向上のため、この種の
飼育を断念する。
この計画は今後見直される可能性はあるものの、エリマキキツネザルについてはおそらく飼育再開されることは無いと思われます。
ちなみにモンキーハウスの他の種については、マンドリルが「推進種」となっており、他はすべて「継続種」です。
僕はモンキーハウスに興味を持つようになったのはつい最近なので、あまり多くの写真を残せなかったのが惜しまれます。
モンキーハウスガイドでは隣のフサオマキザルと比較しながらの解説もありましたが、それも出来なくなりました。
もっと昔の写真は無いかとフォルダを漁ったところ、2011年10月の写真がありました。
しかし、当時はオスのガスカルが存命なので(2014/3/29没)、この写真の子がガスカルかナッツかはわかりません(汗)。
(※ガスカルがいつから飼育されているかは情報ありませんでしたがおそらく2011年以前からいたでしょう)
さて、ここまで普通に「ナッツ」と書いてきましたが、正直言って今回のお知らせで名前を初めて知りました。
モンキーハウスには個体紹介の掲示が無いからです。
なので、モンキーハウスの個体の名前を改めて調べてみました。
(以下の写真は種として選んでいるので個体ごとの写真ではありません。そもそも識別できません(汗))
ダイアナモンキー
- はかた (メス 1997/4/12生まれ 福岡市動物園より来園)
- ラビ (メス 2010/5/16円山動物園生まれ)
- クロワ (メス 2011/6/10円山動物園生まれ)
ブラッザグェノン
- 梅里(ばいり) (オス 2005/9/17生まれ 東山動植物園より来園)
- ヒデミ (メス 2011/4/15生まれ 上野動物園より来園)
ドグエラヒヒ
- アヌビス (オス 1998/2/6生まれ)
他に名前不明のメス2頭
マンドリル
- しずか (メス 2002/6/23生まれ 浜松市動物園より来園)
- ニード (オス 2008/8/5生まれ 日本モンキーセンターより来園)
ワオキツネザル
- アサギ (メス 2007/8/14生まれ 羽村市動物公園より来園)
フサオマキザル
名前・性別不明の2頭
最後になりましたが謹んでナッツのご冥福をお祈りいたします。
関連リンク
エリマキキツネザル「ナッツ」が死亡しました | 札幌市円山動物園
エリマキキツネザル「ナッツ」の病状について | 札幌市円山動物園
「ビジョン2050」に基づく今後飼育展示していく動物種について | 札幌市円山動物園
関連記事